毘沙門 寺岡の自己紹介など…。

2008年8月28日木曜日

2007年8月履歴

「ますます政治不信を増幅させる安倍の行動と発言」

 自民党が歴史的大敗を喫して三日目になり、安倍の政権継続表明が国民の政治不信を更に増幅させている。
 参議員選挙は政権信任の選挙ではないから安倍は首相を辞めないと詭弁を弄しているが、選挙運動中に安倍が再三強調したのが「今回の選挙は自民の安倍を選ぶか民主の小沢党首を選ぶかの政権選択の選挙である。」と度々演説して自ら信任選挙であることを明言している。

 選挙中に国民に約束した二者択一を迫る選挙だから負けたら退陣するのが世間の常識であり、国民に対する約束の履行であるはずなのに、居座わって政権を継続するとは国民に対する最大の背信行為である。
 政治屋は平気で嘘を衝く動物であることくらい承知しているが、首相は一億二千六百万人の総指揮官であることの厳しさが全く無い。
 
そこらの陣笠政治屋どもとは異なり、日本民族、日本国家の命運を担う唯一の最高権力者が首相の座であるのに、その重い地位に対する認識が無い。
国民との約束を破り個人的権力欲のために姑息な手段を用いて国民を裏切るくらいなら、自ら“腹かき切って”支持者に敗北のお詫びをすべきである。
状況の変化次第でいとも簡単に前言を翻して嘘をつく奴に、国民の命運と国家の舵取りを託すわけには行かないのは当然である。

安倍の祖父、岸信介の時代ならいざ知らず、今のテレビ時代では自らの嘘つき場面「今回の選挙は安倍と小沢のどちらを選ぶかの信任選挙であります!」が何度も画面に流されるから証拠隠滅は不可能である。
岸は先の大戦で大変重要な職責を担い、戦争遂行責任を問われたが全てを軍人に押し付けて死刑の断罪から逃れている。

岸は数年間の服役後、政界に復帰して最後は首相の座までのぼりつめたが、安倍に祖父岸ほどの能力があるとは思わないし、この国を統治する器でないことを自覚して退陣し衆議院解散、総選挙を最後の置き土産に断行せよ。
もしも如何なる形であろうと安倍政権が継続され、民主党が安倍を退陣に追い込めないような事態が継続すれば、最早この国には民主主義は存在しない。

      2007年8月1日        

「エキストラライフ・カレンダー?」

 我輩の誕生日は1937(昭和12)年5月14日であり、今年は70回目の節目の年でもある。
 70歳以上はエキストラライフとの解釈が我輩の持論なので、今年の誕生日を毘沙門元年と位置づけ今後は娑婆日数を勘定することにした。
 因みに今日8月6日は毘沙門カレンダーでは、五月が18日、六月が30日、七月が31日で計79日プラス八月が六日で合計85日である。
 以上の計算で娑婆日数を重ねると、八月末で110日、大晦日まで娑婆の空気を吸っていれば毘沙門カレンダーでは232日になるはずである。
 
今回の参議員選挙でもエキストラライフ年代の大物議員である自民党参議院幹事長の片山や公明党参議員会長の草川が落選したが、参議院公明党のドンはなんと78歳の超エキストラライフ議員らしいから敗戦を祝うべきだろう。
国会議員は国家、国民の為に奉仕する見返りに多額の血税を提供されているのだから、命懸けで国政に一命を捧げる立場にあるのに、議員活動をエキストラライフの消化にあてがわれては納税者に対する大きな謀反である。

片山、草川ご両人がエキストラライフ世代だから、命はいつでも国家国民の為に捧げると公言し、今までの政治活動を実践しておれば落選せずに継続してバッジをつけられたかもしれないが、どう見ても命を捧げる相手が国家国民では無さそうなので国民もそのことに気づいて支持をしなかったのだろう。
衆議院にもエキストラライフ世代の連中が多々いるが、因みに最年長の尾身財務相、森元首相、柳沢厚相、深谷元総務会長、津島経世会会長等数え上げればきりが無いほどゴロゴロ、ウヨウヨしているが、このざまでは真剣な政治が行われるわけがない。

弟分の安倍が血迷って続投宣言をしているが、これほど国民を冒涜した行動はないし、森は高齢者保険対象者を代表して安倍を指揮官の座から引きずり降ろすことを画策し実行すれば冥土の置き土産になるのではないか。
報道によると森は一旦安倍辞任に同意したのに最終的には安倍続投に転じたらしいが、その決断はこの国を混乱に貶めるのみならず、国益を大きく損なうだけである故に至急子分の首を切れ。

      2007年8月6日     

「参議院発足後初めて民主党から議長選出」

 民主党の予想を上回る大勝により自民党は議長職を初めて野党に明け渡した。
1946年に参議院がスタートして以来自民党以外から議長が選ばれたのは初めてのことで、このことは今後、衆議院では絶対多数を持つ自公政権の舵取りを大きく牽制し本当の二院制効果を発揮するであろう。
 国家予算は衆議院で承認後、例え参議院で否決されても30日後には自動承認されるが、他の法律や提出案件や日銀総裁等の人事案件は参議院否認で政権運営は非常な困難に直面することになる。

 参議院でも自公が過半数を制していた時代は参議院の自主性は皆無で、衆議院の盲腸と言われてその存在価値は殆ど否定されていた。
 自民党が大敗して与野党が逆転して初めて参議院の自主性が問われることになり脚光をあびることになったのだから、自公の落選議員に感謝、感謝である。
 衆参両院共に自公の多数支配により、福井日銀総裁のファンド投資問題の証人喚問拒否でうやむやにされた懸案を、参議院で証人申請をして不明朗な疑惑を追及して国民に知らしめることが可能になる。

福井総裁に次いで政治資金疑惑につつまれたまま解任された赤城前農相、更には米軍の原爆投下に関して大失言をした久間前防衛相等疑惑の人物にはことかかないし、積年の閉塞状態を打破する民主党にとって最大のチャンス到来であるしこの好機を活かせないようなら今後の期待は少ない。
 敗北したら政界からの引退を公言して大勝した小沢は、参議院の優位を最大限に利用して安倍に早期解散をせまり、衆議院でも逆転して民主党政権を実現しなければ、参議院勝利の意義は半減する。

 そこで大勝に酔う小沢に“産経抄”が苦言を呈しているが、このコラムが保守よりであることを勘案しても、心すべき内容ではある。
曰く「小沢党首は常々小泉前首相のパフォーマンス政治を批判してきた。 
 シーファー駐日米大使の前で、持論の「対等な日米関係」をあれだけアッピールできたのだからご本人だって相当なものではないか?
 それにしても野党党首をわざわざ訪ねてきた同盟国大使を45分間も報道陣のさらし者にするのは異様の一言につきる。」小沢よ、下手な猿芝居は止めよ。
     
2007年8月10日      

「責任の取り方を曖昧にした安倍首相と福井日銀総裁」

  安倍は人生の大先輩である福井の続投を真似したわけではなかろうが、今回の居座り続投は福井の身の処し方を多少参考にしたのではなかろうか。
 福井は日銀総裁という国家の金融政策の最高の地位にありながら、個人的に自己資金を運用させ利益を私物化したことが発覚したのに、任命者である総理大臣といえども総裁を辞めさせる権限が無いことを楯に、厚かましく今日までその地位にとどまっている。

 人の噂も七十五日ということわざがあるが、熱しやすく冷めやすいのが我が日本民族の特徴であるが、その欠点を利用しようと企んだのが今回の安倍続投劇で当面は内閣改造、党の三役人事等で国民を騙し時間稼ぎを目論んでいる。
 自民党内の安倍退陣要求を声だかに主張しているのは経世会、谷垣派、山崎派等の中堅幹部クラスで派閥の親分どもは閣僚や三役人事との兼ね合いで、自ら声を上げずにダンマリを決め込んでいるのが情けない。

 今回の自民党大敗の責任は安倍総裁にあることは安倍自身が認めていることであり、しからば政治家の責任の取り方はその地位を辞することであるとの意見が自民党内に沸きあがっているが、奴らの動きは国民不在の自民党コップ内の私欲戦争であるからあまり真剣に観戦しても仕方があるまい。
 それにしても民主党として本音を言えば「安倍が辞めずに安倍政権で衆議院を解散し選挙を戦いたい」とある幹部がテレビで話していたが、味方からは攻撃されながら敵から続投を歓迎されるとは、安倍は如何なる心境でこの異常事態を分析して外遊するのだろうか。

 元文芸春秋編集長で作家の半藤一利氏は「昭和史」を出版してベストセラーを記録した有名人らしいが、「負けたら退陣するという約束を最高指導者が守らないと、子供たちに責任の取り方を教えられなくなる」と嘆いていた。
 大敗後の続投宣言で安倍支持率は20%まで下げたそうで外遊から帰国したら更に支持率が低下しているだろう。
 外遊で日本から離れている間に少しは冷静さを取り戻して情勢を分析した結果、続投しても憤死するだけだとの結論を出して帰国次第、続投断念内閣総辞職、解散をするぐらいの博打を置き土産に退陣したら少しは男を上げるぜ。

      2007年8月12日     

「2007年8月15日、62年目の終戦記念日雑感」

 1945年8月15日、我輩は国民小学校一年生の夏休みの出来事である。
我が祖国日本に何が起こったのか国民小学校一年生の我輩には定かではなかったが、不思議なことに当時43歳の親父が直立不動の姿勢でラジオに向かって天皇陛下のお言葉、玉音放送に涙を流しながら聞いていた光景が今でも脳裏に焼きついている。
 親父が涙を流していたので日本はアメリカに負けたのだろうが、敗戦が如何なる事態なのかの認識が足りなかったので不安など感じなかった。
 
お言葉の中で天皇陛下の一言だけが今尚我輩の記憶の中に残っている。
「耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び云々」とのお言葉に対して、何を耐え忍ばねばならないのか当時の我輩には理解出来るはずもないのに、何故か昭和天皇のお姿を拝見する度にこの言葉が思い出されて仕方がない。
 我輩が成人に達した後のことだと思うが、確か日本が講和条約を結んで独立国として国際社会に認知されるまでは確か“敗戦記念日”と称していたと思うが、最近は“終戦記念日”が主流になっているように感じる。

 1945年8月15日に東京湾のミズリー号艦上で終戦協定に調印して太平洋戦争が終結した事実は一つしかないのだから、その行為を終戦と位置づけようと敗戦と解釈しようと好きなように解釈すれば良いというのが我輩の思考である。
 歴史は年月の経過とともに自分の国に都合の良いように多少は改ざんされるものだから、戦後62年を経過した現時点では現在の視点で理解すれば良い。
 そんなことよりも、ロシアに無謀に漁船員を殺されても何も抵抗出来ず、北方領土は不法占拠されたまま交渉のテーブルに付く事すら拒否しているロシアに対しては今こそ敗戦記念日に相応しいのではないか。

 さらには首相が終戦記念日に、多数の英霊が眠る靖国神社に中国の抗議に屈して参拝もしない屈辱、更には日本の領海内を堂々と侵犯しながら謝罪も受け入れない中国の傲慢姿勢、尖閣列島への領土侵害等を国際司法基準で考える時、この国の対応は敗戦国の行動である。
 その観点から推理するとこの事実こそ敗戦記念日として国家国民が日本国の真の独立を考えるに相応しい記念日であると考えるが如何なものか。

        2007年8月16日    

「激化するデパート,スーパー業界の大型合併,経営統合の意義」

 昨日,三越と伊勢丹の経営統合が発表されデパート業界一位で売上高一兆六千億円のマンモス百貨店が誕生する。
 この記事を見て最初に感じたのが福岡天神に位置する三越福岡店と目と鼻の先にあり実質伊勢丹福岡店である岩田屋の重複店舗問題である。
 福岡の田舎に住んでいるからこのような現象が目につくのかも知らないが,大型統合の前では天神の重複店舗など当事者には枝葉末節なのかもしれない。

 デパート業界は今後四強時代に突入するといわれている。
三越伊勢丹,高島屋,大丸松坂屋,西武そごうグループ(ミレニアムリテイリング)であるが,ミレニアムはイトーヨーカ堂やセブンイレブンジャパンを抱える五兆円グループの傘下でもある。
 銀行の統廃合と同じくデパート業界でも一昔前の財閥関係は超越して行われているし,三井住友銀行は正に異財閥同士が合併した典型であるが,三越伊勢丹も三越は三井系であり,伊勢丹は三菱銀行等との関係が深いデパートであるから,三井三菱の統合企業であるといえる。

東急デパートや東武,小田急,阪急阪神,近鉄デパート等の親会社が電鉄会社のデパートは今後どのように展開していくか我がボケ頭にはわからないが,いずれは電鉄から分離して四大デパートとの関係を深めていくのではないか。
 メガバンクの次はメガ小売業の誕生であり,地方の中小デパートは急速にメガデパートの系列化の波に飲み込まれている。
 福岡の岩田屋や北海道の丸井の伊勢丹参加入りはその典型例である。

 スーパー業界でも地方の中小スーパーは段々経営が厳しくなり,イオン等のメガスーパーへの傘下入りがどんどん進んでいる。
 銀行も同じ方向へ向かっており地方の弱小金融機関の経営はますます厳しくなり,メガバンクの系列化が急速に進んでいる。
 各業界の大企業を見ていると,日本の資本主義は果たして民主主義的資本主義と言えるのか疑問を持たざるを得なくなる。
 大企業は更に巨大経営体を求め,メガバンクは企業合同に協力し中小企業対策は全く無視している現状では,いずれ中小企業の反乱としてつけががまわるはず。

        2007年8月18日        

「オーバーヒートした甲子園高校野球の裏側。雑感。」

甲子園球場とは全く関係ないが,我がエキストラキャレンダーでは今日21日でエキストラデイが100日になる。
 八月八日に始まった夏の甲子園高校野球も二十一日で13日間が経過し,四校が勝ち残り今日準決勝が行われる。
 毎日が日曜日という我輩の日常生活を少しでも充実?させる為に甲子園出場校の部員数や成績との関係を調べたら平均部員数は72名である。
 部員数100名以上の高校は7校あり,最大は大阪代表の金光大阪高校で何と131名の部員を抱えている。

 最小部員数は智弁和歌山高校の30名であり,金光大阪の5分の一の部員数で予選を勝ち抜き甲子園出場を果たしている。
 因みにベスト8校の平均部員数は63名であるが,8校中6校の平均は54名で最大が広島代表広陵高校の94名である。
 参考までにベスト8の部員数,帝京高校(東京)48名,日大大垣(岐阜)48名,今治西(愛媛)50名,佐賀北 58名,常葉菊川(静岡)59名,楊志館(大分)62名,長崎日大 83名,広陵 94名 である。

人間集団を一人の人間が十分目配せして管理できるのは50名が一つの目安といわれるが,高校野球の場合は監督が一人で生徒たちの心身を鍛えながら指導するわけだから更にきめ細やかさが必要だろう。
 智弁和歌山高の30名規模が監督の指導力を発揮できて,生徒もあこがれの指導者の薫陶を得られる理想的な状態であると考えられる。

 当然50人体制以上の部員を擁する学校は,それなりのコーチを確保して監督を補佐する体制で運営しているだろうが,監督の直接指導を受ける為に野球留学までしてきた生徒は,初志適わず使い捨て要因で貴重な高校生活を犠牲にさせられ,灰色の青春を送ることになる。
 多数の部員を預かる監督はレギュラーになれない多くの生徒たちの大事な青春にも責任を負っていることを常に肝に銘ずるべきである。
 その昔四国の池田高校を僅か11人の野球部員で甲子園に導き,さらに優勝した蔦監督の少数精鋭主義の思想は今風の高校野球には馴染まないのだろうか。

      2007年8月21日      

「県立佐賀北高校の甲子園制覇に感激。公立高校が私学を破る快挙に大拍手」

 結局,傘下49校の頂点を極めたのは公立の佐賀北高校である。
監督の第一声が「公立の佐賀北高校が私学に勝てて最高に嬉しい。」である。
 経歴を見ると甲子園出場は初めてではなく,同じ佐賀県立神崎高校を数年前に甲子園に出場させている。

 我輩等の高校野球に疎い奴からすると、公立高校野球部に50人名以上の部員を集めることは至難の業だと思うが、先ず58名もの選手を集めたことに驚く。

 惜しくも敗れた広島の広陵高校は部員94名の大所帯であり、今回の優勝旗は結果的に公立対私学の決戦になり、甲子園球場の大半の観衆が日本人特有の弱者に声援する万感贔屓で佐賀北を応援し、広陵高校は大観衆を敵にまわして戦ったのも同情に値する。

佐賀北高校が今回優勝する前の公立高校の優勝校が何年前のどこの高等学校か調べていないが、いずれにしても相当前のことだろう。
 因みに2005年公立高校公立高校の出場数は20校で私学は29校、4対6の比率であり、今年2007年の出場校は公立校13校私学36校で3対7である。
 この傾向が今後とも継続するとすれば、何時の日か公立高校は全校弾かれて私学だけの全国大会に豹変する可能性がある。

全国に高校は5386校あり、公立が4060校で私学が1325校である。
公立が75%で私立が25%である。
 甲子園出場校数の割合が公私で逆転しているのも興味深い点である。
 甲子園大会の熱気に煽られて、大会前にあれほど騒がれた私学の特待生問題雲散霧消しつつあるが、佐賀北のような強い公立学校が増えればよいのだ。

我輩は今回の佐賀北と広陵の試合結果を先の参議院選挙の民主党と自民党の対決の構造と捕らえて見た。
 多数を背景にして国民不在の政策運営を押し通した結果、国民にソッポを向かれた結果民主党に敗れた自民党、私学である。
 明日は安部内閣の新体制が発表されるが、戦う前に空中分解するだろう。

  2007年8月26日   

「内閣改造で安倍政権の支持率が上がるほどに阿呆ではないぜ!」

参議院選挙の結果は安倍の退陣要求なのに、安倍は国民の意思を無視して引き続き政権の座に居座り続けている。
 安倍自身は首相の座から降りずに閣僚の首を挿げ替えてお茶を濁すやり方は、一番責任を取らなければならない最高指揮官が責任を部下たる各閣僚に押し付けて己は責任回避をしたことになる。

 安倍は「敗軍の将は兵を語らず」という諺を知らないみたいだし、日本人の道徳の基本である責任の取り方も身につけていない。
 参議院選挙敗退後久しく影を潜めていた“美しい日本”という言葉を内閣改造後の記者会見でまた乱発していたが、美しい日本は正しい責任の取り方が基本に存在するのだから、安倍には美しい日本を発言する資格はないことをいい加減に肝に銘じたらどうだ。

 小手先の内閣改造で安倍の支持率が下げ止まるなど考えられないが、外遊から帰国後の安倍はインドやインドネシア等の国賓待遇に感激して選挙大敗の現実を忘れたかのように明るい表情に変わってきているし、大敗直後のお通夜の雰囲気とは別人の観がある。
人心一新といえば常識的に全員の顔ぶれを入れ替えるはずなのに、安倍を除いても17人の閣僚中5人が留任するだけでも一新とは言いがたい。
 更に大臣の中に派閥の領袖が3人、頭が2人、無派閥の大物が1人で自民党の幹部は幹事長、総務会長が派閥の親分という全く小泉政権前の派閥運営に逆戻りしてしまった。

第二次安倍内閣の実態は、自民党派閥領袖内閣安倍顧問という立場と安倍を位置づければ収まりが良い。
 来月十日から国会が始まれば、防衛省関連のテロ特措法継続問題で与野党逆転の参議院で早速一波乱はさけがたく、沈没するのは時間の問題であろう。
 新聞報道によると自民党の所詮参議院枠からはみ出して今回大臣の座を逃した、大幹部の矢野先生が怒り心頭で自民党参議院は安倍政権にソッポを向いて対応するそうだから、今回の政界は下手な猿芝居よりも面白くなるだろう。

  2007年8月28日 

「民主党小沢のテロ対策特別措置法延長反対発言は国際的孤立か?」
 
  先に小沢はアメリカのシーハー駐日大使からの特措法延長要請に対して反対を表明したが、昨日来日したドイツのメルケル首相が安倍に対してアフガニスタンのタリバン対策の為に特措法延長協力を要請したことで、小沢の主張と立場が微妙な状況に成ってきた。
 ドイツ首相の発言は内政問題で国民の信頼を失った安倍に対する援護射撃になりそうで、民主党は折角参議員選挙で勝利したのにいい加減に下らぬパフォーマンスは止めないと自滅することになるぞ。

 安倍は援軍のサポートに血迷ったのかどうか知らないが、参議員選挙大敗後封印していた憲法改正をまた打ち出した。
 衆議院はともかく参議院でも三分の二の賛成が必要なのに大敗したばかりで過半数も確保できなかったので、三年後までは憲法改正については身動きならないのに何故この時期に持ち出すのかわからない。
 
年金の5000万人不明問題を一年以内に解決すると国民に約束したことが相次ぐ不祥事に追われて解決の目途が立たないので、憲法問題で誤魔化そうとしているとしか思えない。
第一次安倍内閣ではお友達閣僚に御輿を担がせていたが、担いでいるお友達が次から次に蹴躓いてこけたので御輿は傾いて動かなくなった。

第二次安倍内閣は本来御輿に乗っかるような派閥の親分や代貸ばかりなので、安倍は御輿に乗れずに一緒に空御輿を担いで騒いでいるだけである。
いずれにしても参議院は大荒れに荒れて予算案以外は全部審議ストップになり、中小企業問題や地方の活性化策など国内的に急を要する重要案件は全て先送りされるだろうから、早目に衆議院解散に追い込まれるのは時間の問題である。

過去に幾度か政変の影響で国が乱れて経済や社会が混乱したことがあるが、右肩上がりの政治、経済しか経験したことの無い安倍や友達世代には先行きの政治的混乱が、国家や国民に与える影響の重大さに全く気がついていないようにみえるし、本当に理解していないのではないか。
関係ないけど今日八月三十一日はエキストラ110日である。
      2007年8月31日

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