「時事雑感・草莽危言」2013-03-06
国家主席就任後、最初の訪問国を何処にするか世界各国が注目する中、習主席はロシアを選択した。
新聞報道等によるとロシアの他に、現在中国が積極的に投資、開発しているアフリカ諸国等色んな選択肢の中から最終的に決定したのがロシアである。
我がボケ頭は今まで、ロシアと中国の国境線は北海道の稚内から鹿児島までの約3000キロとほぼ同じ距離だと思っていたら、本日の日経朝刊によると中ロの国境線は何と4300キロにも及ぶそうである。
このように長い国境を接しておれば、もしも軍事衝突でも起こせば両国にどのような大きな損害が生じるかを両国は常に慎重に考慮しているはずだ。
原油、ガスの世界一の埋蔵国であるロシアとこれまたそれらの世界一の消費国である中国が隣接しているのだから、日本にとっては非常に悩ましい両国の存在である。
一昔前までは、つまりソ連邦時代までは中国は武器の大量購入先という得意先だったが、ここ数年は中国の武器開発、進歩は目覚しく自力で製造できる実力を身につけ、事故調達、生産をしだしてからはアフリカや中近東他のいわゆる低開発国に武器、兵器を売るライバル関係である。
今回、習近平主席が就任演説でぶち上げたのは、軍事力増強論であり、これこそが中国夢であり、海洋強国の実現である。
その演説の中で国家主権と領土の防衛に触れ、強国夢と強軍夢の実現に奮闘することを国民と軍人に向かって訴えている。
習は演説の中で習が目指しているのは中国夢(チャイナドリーム)と言う言葉を9回も織り込み熱っぽく愛国主義を訴えている。
曰く「中国の夢の実現には中国精神必ず高く掲げよ、それは愛国主義を核とする民族精神である。
興国の魂、強固な気迫こそがその真髄なのだと軍隊と国民を鼓舞している。
何だか一世紀以上前の日ロ戦争で日本連合艦隊が先頭意欲を鼓舞するために掲げた「皇国の興廃この一戦にあり」と檄を飛ばした遣り方と同じである。
習の過激な演説から忖度すると、奴は尖閣列島など問題にしていないかのように一言も触れず、日本海から東南アジアを含む広範な領海を睨んでいることは間違いないし、日本も暢気に構えていたら本当に飲み込まれるぜ。