「時事雑感・草莽危言」2012-05-04
小沢の政治経歴や政策、政治姿勢や政治哲学や策略は別にして、現在の混沌とした日本国政界の中で大きな影響力を持っていることは事実であり、小沢の政策の良し悪しは別にして政治がかなり左右されることは間違いない。
そのような有力政治家(敢えて政治屋とは呼ぶまい)である小沢を、捜査の対象とし東京地検特捜部が取り上げたにも拘わらず起訴出来なかったのに、検察審査会という得体の知れない制度を悪用?して強制起訴して小沢を二年以上の長きに亘り被告人の立場に封じ込めた。
しかし4月26日に無罪判決が下され一件落着と見られていたのに、検察官役の大室指定弁護士以下三人は世間の予想を裏切り控訴を選択した。
然らば一審判決を逆転出来なければ腹を切るのは当然である。
そこで今回の控訴に対する司法関係者の感想と二審に対する見解や予想等を参考にして、今回の奇妙な指定弁護士の決定の裏事情等を推理してみたい。
5月10日、日経朝刊「識者の見方」に、元東京高裁部総括判事・法政大法科大学院 門野 博 教授曰く「小沢判決は十分な証拠調べの上で元秘書との共謀を否定しており、これ以上有力な証拠が出てくる可能性は低い。厳しい見方をすれば、控訴審の判断が、元代表の一定の関与を認めた一審判決より後退する可能性もある。」と一審判決より更に(小沢有利)に展開する可能性もあり得ることを強く指摘している。
同じく10日の毎日朝刊で、更に元東京地裁部総括判事 山室 恵 弁護士曰く「指定弁護士の判断は疑問だ。 確かに一審判決は小沢元代表が元秘書らから虚偽記載の報告を受け、了承していた点までは認めたが、現在の証拠関係では、これ以上の認定は厳しい。 元秘書たちとの共謀を裏付ける新しい証拠を申請することも考えにくく、無罪をひっくり返すのは困難だろう。 「全員一致で控訴を決めた」と説明しているようだが、控訴断念も含めた議論があったと推測する、と判決逆転は困難と強調している。
同じく10日の朝日朝刊では、小見出しで「小沢氏の犯意立証“一審尊重”の流れ」、控訴審逆転への関門、と表記した上で次のような解説をしている。
指定弁護士にとってさらに逆風となるのは、裁判員裁判が導入された影響で、「一審尊重」の流れが強まっていることだ。
以前は高裁の裁判官が自ら抱いた心証に基いて一審判決を覆すことも珍しくなかったが、最高裁は今年2月、「事実認定が経験則や論理法則からみて余程不合理でない限り、一審を尊重すべきだ」との判断を示した。
こうした高いハードルを乗り越え「一審の認定は明かにおかしいというレベルで一審判決を逆転することは至難の業である」と説明している。
政策全般に亘って我がボケ頭とは全く反目の社民党のチャボ党首福島が、同じ弁護士の立場から指定弁護士の今回の控訴を痛烈に批判していた記事を読み、初めて一致点を見出した感じである。
福島曰く「今回の小沢氏の裁判での控訴は問題だ。 日本では無罪判決
が極めて少ない。 一審で貴重な無罪判決が出たということは尊重されるべきだった。」と述べ強く疑問を呈した。
この記事を読んでチャボ党首もたまにはまともな意見を吐くことを知った。
ところで今回の指定弁護士側の控訴に対しては、今まで全面的に反小沢で論陣を張って来た大マスコミどもの解説が中立的かまたは控訴側の有利な展開を回避し、一応に一審を覆す新証拠の提出も困難だし、有罪を勝ち取ることのハードルの高さを強調しているのも従来の姿勢の変化である。
そこで我がボケ頭が分からないのは、五月2日に行われた三人の指定弁護士の一回目の打ち合わせとその後の記者会見では大室主任指定弁護士以下三人とも非常に弱気な心の内を話していたのに、何故二回目の打ち合わせで急に控訴に踏み切る予想外の変更を決意したかが大きな疑問である。
考えられるのは検察官役の指定弁護士が最高検察庁と打ち合わせて、検察の意向を踏まえて不本意ながら控訴に同意したのではないかと予測する。
何しろ今回の裁判の検察側資料の全部は検察庁からの借り物であり、己達指定弁護士の働きで探し出し立証した証拠は皆無だと聞いている。
然らば、控訴審も検察庁におんぶに抱っこでなければ戦えるはずもなく、我がボケ頭のボケ推測では控訴審は小沢と東京地検特捜部の再戦の様相を演ずるのではないかと考えている。
今一度、小沢に特捜廃止の為にも頑張ってもらいたいものだ。
2012年5月13日 元始求道会
