「時事雑感・草莽危言」2014-03-08
今回のロシアによるウクライナ領クリミア共和国の武力による併合は、ロシアと言うよりプーチンの領土に対する強い執念の現われである。
クリミア半島にはロシア海軍の黒海艦隊基地があり、戦略上重要な土地であり、クリミア共和国はロシア人が80%を占めており、旧ソビエット連邦時代には当然のことながらソ連領土であった歴史があるが、だからと言って武力で奪回出来ることが許されるわけがない。
そのように強いロシアとの結びつきがあるにしても、現在のウクライナ共和国は歴然とした独立国であり、ロシアとは対等の国家である。
武力による理不尽な行動で他国の領土を強奪したのだから、米国、英国、独、仏、伊、カナダ、日本の七カ国はロシアの行動に全員反対しており、G8からロシアを排除する方向に進んでいる。
先に冬季五輪を開催したロシアのソチでG8を予定していたが、七カ国の反対で中止されたと報道されている。
ロシアは資源大国であり、経済力の主たる要因である自動車や電機製品やハイテク産業等は日本や先進国に勝る技術は保有しておらず、先進国相手に太刀打できる競争力は無い。
そのような変則的な国力でありながら、各国の反対を承知の上でクリミアの併合を強行したのはロシア国民のプーチン支持を上げる背景がある。
最近、国民のプーチンに対する支持率が低迷していたのに、今回のクリミア強行併合で一気に人気を回復したとのことなので、このような時期に我が北方領土をプーチンが日本に返還する選択肢など考えられない。
我がボケ頭も日本国民の一人として一日も早く北方領土を日本が取り返すことを期待するが、今回のクリミア問題は日本の立場を更に困難にしたように思えて仕方が無い。
日本国が他のG8メンバー国と足並みを揃えてロシアに対する制裁や牽制措置を強化しなければ、米国の信頼を失うことは明白で抜け駆けは絶対に許されないことは明らかである。
多分、今秋に訪日を予定しているプーチンは来日しないだろう。
2014年3月26日 元始求道会マルキG 毘沙門寺岡