「時事雑感・草莽危言」2012-06-07
世の中に三すくみということは時々聞かれるが、今回の政争は民主、自民、公明の三すくみにプラス小沢グループを加えた実質“四すくみ”関係である。
自公民の三党修正協議は一応決着しているのに、要の民主党が小沢グループに振り回されて国会での採決がだらだら引き延ばされているのが実態である。
当初自民党は、民主党に対して21日の採決を要求して、実行されなければ即、三党協議はご破算にすると息巻いていたが、現実は民主党の約束違反に対して結果的には黙認である。
言っていることと遣っていることが全く実行されないのは自民党も同じで、腹の中では小沢が強行に野田に造反して、民主党が混乱することを期待しているのは見え見えである。
口先では小沢を切らない民主党とは手を握れないと言いながら、本音は小沢がとことん抵抗して54人以上の子分を連れて離党することを期待している。
報道によると上記の数字以上が離党すれば、民主党は少数与党になり下がり、自民党が提出する野田内閣不信任案に対抗出来ないということらしい。
自民党は三党協議の当事者でありながら、対岸の火を高みの見物するという立場を楽しんでいる風情である。
自民党の最大にして唯一の願望は政権奪回である。
何が何でも野田政権を打倒して衆議院を解散に追い込いこみ、再度政権の座に就くこと以外は眼中に無い。
政権という魅力的権力と甘い構造に長年親しんできた自民党は過去の夢を忘れられずに、形振り構わず政権奪回に全精力を集中したいところだろう。
しかしながら長年に亘る国民に対する不義理の付けで、自民党の支持率が低迷しているので今一政権奪取に及び腰と見えて仕方がない。
とすれば、仮に自民党が政権の座に返りざいても、現在の大きな懸案である景気回復や国民生活の向上やきめ細かな中小企業対策等は期待しても裏切られるだけであろう。
然らば小沢に出来るだけ政界を混乱させて早くガラガラポンさせるしか仕方があるまい。
2012年6月24日 元始求道会マルキG 毘沙門寺岡