「時事雑感・草莽危言」2013-05-07
このところ日本株の乱高下が激しく、23日には一日で1000円以上下落し、その後も4,5百円単位で乱高下を繰り返している。
安倍は株価が上昇中は盛んに株価に触れて如何にも景気が着実に回復しているかのような発言が多かったが、23日の大暴落以後は一切株式動向には触れず明らかに避けていることは歴然である。
二十年の長きに亘り低迷した不景気が、現在の株価の回復で解消するなら不況対策など必要ないけど、今回の株価上昇は見せ金みたいなものだ。
2008年9月15日に発生したリーマンショックでさえ日本株式に、これ程大幅な乱高下は発生していないことから見れば明らかに超異常現象である。
日本株式上昇の仕掛け人である日銀黒田総裁も今回の暴落、乱高下を憂う一番関係深い人物であると共に、先行きの日本経済の動向に最も拘わっている人物でもあるし、日本国経済の舵取りの重要人物としての責任は重大である。
その黒田総裁が今回の株価騒動に対して責任逃れとも思える発言をし始めたのを、朝日新聞の記事から見えて仕方がない。
曰く「金利には良い金利と悪い金利が存在する」と明言しているが、我がボケ頭には残念ながら理解不能である。
我々中小企業経営に携わる者にとっての「良い金利とは超安い金融機関からの借り入れ金利であり、反面出来るだけ高い預金金利である。」
「その意味で中小企業から見た悪い金利とは、高い貸付金利でありゼロ金利に等しい預金金利である。」
黒田が言う悪い金利とは金融機関に負の影響を与える上昇金利である。
日本の財政悪化への懸念が広がって、国債価格が下がる場合には「金融機関に(保有する国債などの)債券評価損という負の債券評価損という負の影響が強くでる」と警告している。
まるで金融機関さえ損失を蒙らなければ良いと聞こえるような主張である。
逆に言えば金融機関が健全経営できるような経済政策を政府に推進するような、財政再建の取り組みを加速させるように政府に強く求めている。
極論すれば中小企業の倒産がどれ程増えようと、金融機関の経営状態が安泰であれば日本経済は前進する、と言わんばかりである。
このような中小企業を無視するような奴は早急に首を切らねばならない。