「時事雑感・草莽危言」2011-03-02
前回の(03-01)で少しだけ財務省の職務権限の悪用を指摘したが、現在も日本の銀行に対する財務省と金融庁の監督、指導権限は強大である。
官僚の天下りが問題にされマスコミも指摘しているが、一向に減少した気配はないし、あほ菅はこの面でも完全に嘗められている。
財務省官僚の天下り先として地銀は昔も今も相変わらず美味しい受け皿としての存在価値を維持しているし、その為にもバブル崩壊時の金融機関の大混乱の二の舞は絶対に避けたいのが奴らの思考である。
その為に政府国債の乱発を非常に巧妙に利用していることが、銀行の保有する国債の残高と預貯金の差額金額を見れば歴然としている。
因みに2010年11月末の銀行保有国債は142兆円で、昨年末の銀行預金と融資額の差額が150兆円、と言うことは銀行の余剰資金はほぼ全額、国債に化けていることになる。
だから日銀が量的緩和を推進しても金融機関が国債引き受けに充当するから、
市場に札束が出回らないし特に中小企業には融資されないわけである。
今年1月12日付日経新聞によると、国内銀行の平均貸出金利が2010年10月に初めて1%台に下がったそうだから、信用リスクの高い中小企業に融資する代わりに喜んで1.3%の利子の十年物国債を引き受けるはずだ。
ただ見たいな利息で預金をかき集めてその金で国債を買い、年二回の受け取り利息を国から保証されればアホらしくてヤバイ中小企業に貸すわけがない。
税収不足を口実に国債を45兆円も乱発することで、財務省は銀行支援をしていることになり、己達の天下り先を安泰に導くべく誘導しているのだ。
国民新党の亀井亜紀子幹事長代理が先のNHK国会討論番組で暴露したのは、「政府は税収不足で国債を無茶苦茶増額して挙句に消費税まで上げる方針だけど、財務省の官僚の皆さんはそんなに資金に困っていない、と言っていますよ」
と、与党らしからぬ説明して同席していた民主党の岡田を困らせていた。
亀井さんは単なる世襲議員と思いきや、この発言を聞いて感心させられたのでちょっと経歴を調べて見たらやはり実力派であることが分かった。
要するに財務省も日銀も日本国家の機関だから、銀行が引き受けている142兆円を日銀が全額肩代わりすれば、市中に金がダブつき中小企業にも資金が流れる景気を刺激することは間違いないのに、日銀の独立性を口実に遣らない。
2011年3月3日 元始求道会マルキG 毘沙門寺岡
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