「時事雑感・草莽危言」2011-12-02
十二月五日に福岡国際マラソンと早明戦ラグビーが行われ、午後二時のラグビーキックオフのころマラソンは日本人三人によるオリンピック代表を懸けたデッドヒートが行われていてが、ラグビーファンの我がボケ頭でも躊躇無くマラソンを選んで見た。
二十キロ時点で早くも第一集団から遅れていた川内選手が、その後じりじり追い上げて三十五キロで先行する日本人選手に追いつき、最終的にトヨタの今井と壮絶な死闘を繰り広げた結果、川内選手が最後は総合三位の日本人トップでゴールしてオリンピック出場をほぼ確実にした。
報道によると川内選手はれっきとした埼玉県職員で他の職員と同じように仕事をこなし、マラソン大会には有給休暇を利用して参加する徹底振りとのこと。
マラソンの練習も限られた環境の中で創意工夫しながら続けており、川内選手の話では、マラソン大会に頻繁に参加するのも普段の不足がちな練習量をカバーする意味合いもあるとのことで、何もかもが従来のマラソン選手生活とは大きく異なっている。
有力ランナーの殆どが大企業の保護の下に練習に明け暮れているのに比べたら、川内選手の練習環境は驚くほど苛酷であることは、解説者の瀬古元カンピオンも驚いていた。
粘り強く、我慢強く、負けん気も強い川内選手の走る熱意を感じさせる思考は、彼の生い立ちにも大きな要因があるのだろうが、話す内容がまた抜群である。
川内選手曰く「オリンピックに出場するからには、表彰台に上がる可能性がなければ意味が無いので、今日のタイム(2時間9分57秒)では仕方が無いので次の東京マラソンに出場してオリンピックで戦える記録を狙いたい。」
過去の選手たちはオリンピック出場権を得たら、オリンピックに備えるとの口実でその後の大会には殆ど欠場している。
川内選手はもしも東京マラソンで不本意な成績しか残せなかったら、代表に選ばれてもひょっとしてオリンピック出場を辞退することすら考えられるので、協会にしても何としても好成績を挙げて欲しいと強く願っているのだろう。
過去の選手達を振り返って見ると、期待されながらメダルに届かなかった選手が多数居たのは、ただ只管オリンピックに出場することを目標にしてきた連中が多く居たからではなかろうか。
2011年12月6日 元始求道会マルキG 毘沙門寺岡
0 件のコメント:
コメントを投稿