毘沙門 寺岡の自己紹介など…。

2014年6月17日火曜日

「イラク紛争は新たな中近東の火種になるのか?」

「時事雑感・草莽危言」2014-06-06

  イラクの元独裁者サダムフセインが米軍によって逮捕されたのは2003年12月で、三年後の2006年12月に絞首刑が執行された。
  その後米軍主導で政治の民主化が推進されたが、同じイスラム教でもシーア派、スンニ派、イスラム過激派組織、更にクルド人と多岐に亘って構成されているので簡単に纏まらないのは当然予測されたことである。
  米軍は一時期6万人の軍隊を駐留させたが、イラクの石油の確保に目処をつけて一応当初の目的を達成したことで、全面的撤退に方向転換した。
  ブッシュ政権からオバマ大統領に交代して積極的に撤退準備を急ぎだしたのは事実であり、2011年12月14日に完全撤収を宣言した。
  
  米軍占領下で実施された民主的選挙で選ばれたのが、予想されたこととは言えイスラム教の最大集団であるシーア派のマリク首相である。
  フセイン独裁政権時代はイランで逃亡生活を送った人物だから、イラン寄りの政治を思考するのは当然であろう。
  今回のスンニ派過激集団に対決するためにイランに治安部隊の派遣を要請したとの報道もある。
  米国とは反目のイランに、第一に応援を頼むマリク政権に支援をするのもオバマにとっては皮肉ではあるが、米国は現在イラクの原油確保の為に多くの米国人を駐在させているので、彼らの身の安全を確保するためにイラクに対して軍事的支援は必要であろう。

  イラク紛争で漁夫の利を一番享受したのは多量の原油を確保しているロシアであり、サウジアラビア等であろう。
  我がボケ頭の出鱈目推理によると、今回のイラク紛争は、隣国シリアの混乱にも拘わってくるのではないかと思う。
  更に、今回のエジプト大統領選挙で当選した前参謀総長が果たして政治的安定を可能に出来るのか、更にはイスラエルとの関係はどのように維持されるのか正に中東は一触即発で火の海に変わる可能性が大であると思う。
  原油が値上がりすれば日本経済に大きな打撃を与えることは間違いない。
  イラク問題は決して対岸の火ではない。

    2014年6月16日  元始求道会マルキG 毘沙門寺岡

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