「時事雑感・草莽危言」2014-05-06
6月3日から三日間の予定でロシアのプーチン大統領が中国を訪問し、習近平主席と会談し中ロの友好関係を世界にアッピールした。
プーチンはロシア海軍の軍艦を引き連れて行き、わざわざ中国海軍と共同軍事演習を演出するサービス振りである。
今回の両国トップのパフォーマンスは、明らかに共通のライバルである米国オバマに対するけん制の意味合いが強いことは明らかである。
ロシアはウクライナ領のクリミア共和国を無血で併合したことが米国初め欧州諸国の強い反発、非難を受け、米国はかなり広範囲な経済的政治的制裁を果たしてロシアにボデイブローを加えている。
この経済的制裁がロシア経済を直撃し、ロシアでは日常生活物資が急騰し一般国民の生活を脅かしていると報道されている。
米国の情報局職員をロシアが受け入れて以来両国関係はギクシャクしており、対立の原因は多岐に亘っている。
先のシリア紛争に、米国が介入を示唆したにも拘わらず、ロシアと中国の反対によりオバマが腰砕けでシリアに対する攻撃を中止したことが、今回の中ロの強調姿勢に拍車を掛けたことは事実だろう。
中国、ロシアの両国の協力関係にはチベット、ウイグル等の他民族を強引に取り込んでいる中国の立場を利用する意図がロシアにあることは否めない。
ロシアのもう一つの理由は、ロシアのガスに頼っているドイツ初め欧州諸国が、米国初め他国に購入先を求めた場合に、ロシア経済を支えているガス、原油の売り先として中国に頼らざるを得ない背景が存在する。
中国は隣国ベトナムと領海問題で紛争中であり、フィリッピンともトラブルを抱えており四面楚歌である。
中国、ロシア共に同じような国境問題と民族紛争を抱えているので、お互いに協力して強行突破を図ろうという意図だろう。
しかしながら中国とロシアは3000キロに亘り国境を接しており、15億人の国民を抱える中国にはロシアの広大な国土は垂涎も的である。
過去にも中国は旧ソ連と1969年にアムール川を挟んで紛争を起こしており、他にも数箇所未解決な国境問題を抱えている。
中国の陸軍はロシア国境を侵食するために存在していると言える。
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