「時事雑感・草莽危言」2011-07-05
今、名古屋場所五日目で、大関魁皇が旭天鵬を破り通産1046勝を上げて、元千代の富士(現九重親方)の記録1045勝を抜いて大記録を打ち立てトップに躍り出た。
魁皇は38歳、23年振りの快挙というから15歳で相撲界に入ったことになり、報道によると元横綱貴乃花(現貴乃花親方)と入門が同期とのこと。
魁皇関が如何に優れた関取であるかは、通算勝ち星一位のみならず数々の記録を残していることからも理解できる。
先ず優勝回数が五回で横綱を張らずに獲得した賜杯の数は一番のはず。
幕内通算勝ち星 878勝で一位。
幕内出場 1439 一位
幕内在位場所 107 一位
大関在位 65 一位(元千代大海と並ぶ)
通算出場 1726 三位(一位は大潮 1891)
現在は39歳に近づきお頭の方もかなり薄くなってきているが、これは自然現象故避け難いことであるし、二十五歳前後の取り組み写真を見ていたらなかなかのイケメン振りである。
23年も過酷な力士生活を継続してきたわけだから、身体全体があちこち怪我の勲章で一杯のはずなのに、痛さを顔に出さずに本場所を勤めてきた精神力は、流石に福岡は直方の川筋出身の根性の賜物であろう。
魁皇の相撲に対する取り組み姿勢の基本は、相撲界では基本中の基本であるすり足、鉄砲、しこだそうである。
世の中の変化に追随して長い歴史の教えを軽視しがちな流れの中で、正しいことは正しいと言う魁皇関の地味な志向が、今日の大記録をもたらした大きな要因と思う。
現在日本相撲協会は八百長問題や賭博事件に絡んで再建中の名古屋場所だが、取り組み姿勢を見ても運営方法にしても、改善の跡は感じられない。
今、名古屋場所に魁皇の新記録が絡んでいなかったとしたら、他に話題性など皆無であり、惨憺たる場所で終わったはずである。
2011年7月15日 元始求道会マルキG 毘沙門寺岡
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