「時事雑感・草莽危言」2011-07-02
昨年、2010年末の国債発行残高は919兆円、その内銀行の保有高は今年四月末現在で158兆円の17%、ゆうちょ銀行が286兆円で31%、合わせて48%約半分を保有していることになる。
保有額を急激に増やしているのが三菱UFG,三井住友FG,みずほFGのいわゆるメガバンクで三メガバンク合わせて100兆円保有している。
日銀の調べでは国内民間銀行の国債保有高は五年前には約100兆円で、更に十年前には80兆円だった。
銀行の国債保有高が如何に急激に増えているかが如実に表れている。
政治屋や財務官僚や日銀総裁は、二言目には中小企業に対する金融対策は充分配慮し万全を期していると抜かすが、現実は銀行が抱える余剰資金は全て国債引き受けに使われていることになる。
前にも同じ内容のことを取り上げたが、日銀が国債を積極的に購入して札束を市中にだぶ付かせる以外にデフレ阻止は出来ない。
銀行本来の役割である国民から預かった金を企業なり個人の住宅資金として融資することをせず、国債ばかりをただひたすら購入して財務省のご機嫌をとりむすび、存在価値を維持しているだけである。
日本の銀行は広義の意味では大なり小なり財務省と日銀の付属機関である。
銀行の国債保有が増えているのは預金の振り向け先が見当たらないため。
日銀の統計をもとに預金をどれだけ貸出金に回したかを示す預貸率を計算すると、3月末は71%で過去最低だった。
貸出金残高は425兆円で一年間の減少額は2兆5000億円、地銀一行分に相当し、地銀が一行減ったのと同じ情況である。
政府も日銀モデフレ解消策を表面的には喧伝しているが、奴らがやっていることはまるで正反対だし、余剰資金をどんどん金融市場から吸い上げているので、土地を初め物価の上昇に反映されるわけがない。
発展途上国は殆どの国が貧乏と物価高騰というインフレ現象に悩まされており、デフレのインフレ化とインフレのデフレ化はどちらが困難かは自明の理だ。
2011年7月3日 元始求道会マルキG 毘沙門寺岡
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