「時事雑感」2010-05-07
クリントン国務長官は21日午後四時頃来日し、岡田外相と一時間、鳩山とは僅か二十分の表敬訪問を終え、日本滞在わずか三時間足らずで次の訪問地上海に向けて飛び立った。
二十二日には上海万博を訪問して、色々問題の噴出している中国の国家的イベントに米国としての協力を演出したらしい。
日本には僅か三時間しか滞在しなかったのに、中国には二十五日まで四日間も滞在し、ガイトナー財務長官等多数の米国政府幹部と共に米中戦略、経済対話に出席する予定と報道されている事実から見ても、完全に日本は蚊帳の外という感じである。
中国訪問後、クリントンは韓国に飛び韓国海軍艦船撃沈問題で緊張している韓国政府首脳と会談すると報道されている。
米国政府やクリントンは沖縄問題でふらふらしている日本への立ち寄りは不本意であったらしいが、それではあまりに日本パッシング(通過、バッシングに非ず)になるのでやむを得ず来日を付け加えたらしい。
それほど鳩山政権の沖縄問題に対する優柔不断な対応が、オバマ政権に不満の種をまいている証拠である。
基地問題に限らず、日米を取り巻く経済関係の変化は完全に米中関係に主役の座を奪われたことも事実である。
対米貿易額に於いても米国債の保有額においても、日本は完全に中国に取って代わられたのだから、クリントン国務大臣が中国を重視するのは米国側からすれば当然といえば当然の事である。
米中が政治的にも経済的にも接近しているのは両国の為政者が自国の国益を考えた上での判断であり、我が日本がとやかく言う筋合いのことでは無いが、このような両大国の関係強化が我が国に及ぼす影響は非常に大きいことは歴然としている。
米中関係は兎も角として最近気になるのは、一昔前の日中貿易は日本としては輸入中心だったのが、徐々に輸出まで中国を当てにしだしたことである。
東京の銀座や一流デパートまでが、中国人観光客に頭を下げまくって売り込みに狂奔しているさまは何とも嘆かわしいし情けない現実である。
2010年5月23日 元始求道会 毘沙門寺岡
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