「時事雑感」2010-05-03
八年前に田中耕一さんのノーベル化学賞受賞報道がされた時、マスコミ初め大部分の国民は先ず「島津製作所って何を作っている会社や?」、て疑問を感じたのを覚えている。
我がボケ頭は「島津製作所は歴史のある会社だしゴロマークも何か時代がかっているので、ひょっとしたら鹿児島の島津藩末裔関係の会社かいな?」ととぼけたことを想像したくらいである。
トヨタ自動車や東芝やソニー等のような大衆相手の商売ではないので国民の知名度は確かにいまいちの企業ではあるが、田中さんのような科学者を抱え込む企業体質は超一流である。
田中さんがノーベル賞を受賞した八年前には田中さんは42歳の一研究員の身分であり、会社は慌てて役員に推薦したけど本人が固く辞退したとのエピソードがある。
それまでも会社側は再三管理職への登用を推薦したが、役職に就くと研究に費やす時間が割かれるとの理由で敢えて昇進を断ったそうである。
現在の肩書きは島津製作所フェローという聞きなれない役職(特別研究員)であるが、公的には内閣府総合科学技術会議の専門委員を務めている。
多分、自らの研究活動にマイナスになるのは承知の上で、若手の研究者を指導教育することで日本国にお返ししたい気持ちで受けたらしい。
その田中さんが国の「最先端研究開発支援プログラム」に選出され、五年間で34億円の支給を受けているそうだが、民主党が進める事業仕分けについて「研究者が説明責任を求められるのは当然」と受け止めている。
昨年11月、事業仕分けの会場を訪れて話題になったらしいが、「国のお金を預かって研究する以上、説明責任があるのは当然である。」と強調している。
同じノーベル賞受賞者でも、研究開発費の削減のみに言及して、国の予算削減は日本の国際競争力低下に繋がると単純に主張する役人学者が大きな顔しているが、こんな奴どもは田中さんのつめの垢でも飲んで血税の貴重さを考えなおしたらどうか。
2010年5月7日 元始求道会 毘沙門寺岡
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