「時事雑感・草莽危言」2014-05-01
安倍が4月29日から5月8日まで10日間の欧州訪問に出発したが、ドイツ、イギリス、ポルトガル、スペイン、フランス、ベルギーの6カ国。
米国ともロシアとも友好関係を構築したい日本政府としては、降って沸いたようなウクライナ問題での米ロ対立が大きな影響を与えている。
米国ベッタリの姿勢を強調すればロシアが反発して安部政権を揺さぶるし、逆に米国との安全保障連帯を無視してまでロシアのご機嫌を取る外交政策など絶対にあり得ないし、正にあっちたてればこっちが立たずの状態である。
3月8日付雑感「2014-03-03」で「ロシアのウクライナ侵攻で対立するオバマとプーチンの狭間で対応に苦慮する安倍政権」と書いた。
その文章中に「果たしてプーチンは今秋来日するのだろうか?」と疑問を呈しているが、現状ではどうもプーチン来日は全く闇の中でますます遠のいていることは直近のロシア高官の談話からも明らかである。
今回安倍が訪欧の一番にドイツを選んだのも、対ロシア外交で日独に共通点が存在するからだろう。
ドイツはロシアから大量のガス、油、鉱山資源を輸入し、逆に自動車、家電製品等多くの生活用品を輸出して貿易額は欧州諸国で突出している。
だからと言ってロシアがクリミア半島に侵略してロシア領に併合した侵略行為は、明らかに国際法を無視した違法行為であることを主張して米国の対ロシア規制には賛同している。
規制には賛成しながらも、あくまでロシアとは対話が最優先手法であることは今後とも堅持していくことをメルケル首相は明言している。
日本と同じように先の大戦では不本意な結末を迎えたドイツは、終戦後長期間に亘り東西ドイツに分断され国民は冷戦の悲惨さを十分経験している。
因みにメルケル首相は東ドイツ出身の初の首相であり、ロシアの強かさを十分に経験した政治家であり苦労知らずの坊ちゃん安倍とは比較にならない。
尖閣では中国封じ込めに為に大きな借りを米国に作ったが、今度は中国とロシアを天秤に掛けて振り回す位の大芝居を打って見ろ!と言いたいが夢か。
我がボケ頭の持論であるが、ロシアにとっての最終的な敵は中国であることは世界の常識だろう。
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