「時事雑感・草莽危言」2013-05-01
先月、日本時間29日にプーチン大統領が安倍首相との会談を受け入れたのは、我がボケ頭の想像では日ロ首脳会談の先に両国共に対中国関係を意識しているからであろう。
現在、日中関係は尖閣諸島に関連して中国の理不尽な主張の為に大変ギクシャクした関係が続いている。
安倍首相はそのような背景のもとにプーチン大統領との会談を選択したわけだが、非常に賢明な選択だったと思う。
2003年に当時の小泉首相が訪ロして以来だそうだから、十年ぶりである。
多分、安倍政権は多少継続性がありそうだと考えて会談を受けたのだろう。
今回の首脳会談での日本側の第一課題は当然のことながら北方領土四島の返還であるが、逆にプーチンにとっては本気で取り上げたくないテーマである。
ロシア国内の保守派勢力は、四島返還には基本的に反対であり、ガス田開発による経済的向上もあって四島に対する投資、開発が進んだことも背景にある。
それらのロシア側の背景はともかく、今回官邸主導で組織された大規模な経済ミッションが現地に同行したのは、経済を含めた日露関係進展の裏側に「中国の脅威」と言う日ロ共通の関心事があることは明らかだろう。
ロシアはサハリン(旧樺太)に大量のガス田を所有しているし、米国でのシェールガスの生産で世界の原油の自給バランスに大きな変化が生じ、ロシアを初めとする産油供給国の立場が不利に転じてきたことも事実である。
産油場所からなるべく近いユーザーに供給する方が安い運賃で売れるので有利なことは事実であり、その点からすれば中国や日本に売却することがロシアにとってはベストな選択であることは事実である。
ところが豊富な資金で軍事力強化に邁進する中国は、軍事大国ロシアにとっても脅威国であることには日本国と同じ立場である。
その意味ではサハリン原油を大量に中国に売却することに抵抗感があるのは間違いなく、中国向けを減らしても日本向けの量を増やしたいのがロシアの本音であるし、ロシアが日本に期待していることは非常に多岐にわたっていることを、安倍以下日本国の政治家、経営者は真剣に国益の為に行動すべきである。
米国以外の強国がロシアに対峙している今こそ日本が有利に展開できる最高のチャンスであることを安倍は命がけで行動せよ。
2013年5月3日 元始求道会マルキG 毘沙門寺岡
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