「時事雑感・草莽危言」2013-04-02
黒田日銀総裁の下での金融政策決定会合を三日、四日と二日連続で開き、過去には見られなかった大胆な金融緩和策に踏み切った。
先ず今日朝刊一面の見出しを拾うと、朝日「資金供給 2年で2倍」日経「日銀、緩和策を総動員」産経「黒田総裁、必要な政策すべて決定」等々。
とにかく白川前総裁の“白”から黒田総裁の“黒”への転換であるが、これらの異次元の政策転換こそ白から黒への変化を象徴することになるのか。
日銀の政策大転換の影響で昨日の株価は日経平均で272円上昇し、終値では12、634円で大きく動いている。
為替は1ドル95円で大きく円安に振れているし、数字だけ見ていると何だか急に景気が回復して金回りが良くなるような錯覚を起こしがちになるが、残念ながら株式取引をしていない我々にとって株価上昇は全く蚊帳の外である。
更に言えば、日銀が金融機関に流すお金の量(マネタリーベース)を昨年末の138兆円から13年末に200兆円、14年末には270兆円まで増やすそうだけど、いくら増やしても我々中小企業の融資窓口である銀行が蛇口を緩めて貸さない限り、特に中小企業の資金繰りは良くならないし元気も出ないし景気刺激には大した影響はないのではないか。
新聞記事によると長期金利の指標となる10年もの国債が一時0・425%まで低下したそうだから、我が方がお世話になっている政府系金融機関の商工中金と日本政策金融公庫の両機関殿には更なるご支援をお願いしたい。
黒田総裁が称する今回の政策大転換を異次元の政策と称する真意がなにを意味するのか、残念ながら我がボケ頭には明確に把握できないので、もっと我々中小企業に跳ね返るような具体的な説明を是非求めたい。
長期の大不況の為に死にたい寸前の多くの中小企業を救うために、貸し金の担保充当部分だけでも、物価上昇率2%を目指す二年間は金利と返済停止するくらいの所謂“異次元”の政策を中小企業代表としてお願いしたい。
株価が上昇しても日本の場合は大半が上場企業グループ間や取引先の相互関係で保有しているので、大企業が利益をあげたことに協力したといえる。
アベノミックスと株価上昇で目先を惑わされて、いまだに長年の不況の痛手は回復していないことを忘れて騙されてはならない。
2013年4月5日 元始求道会マルキG 毘沙門寺岡
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