「時事雑感・草莽危言」2013-03-04
元財務官で前アジア開発銀行総裁の黒田東彦氏を日銀総裁に起用する人事案が15日国会で同意を得た。
従来ならば政府提案には何でも反対した民主党が、過去の失敗を反省して、安倍政権提案の日銀総裁人事案に賛成した結果早期決着したわけだ。
5年前の日銀総裁人事で、当時野党の民主党が政府提案人事に我武者羅に反対した結果、総裁候補にも上がっていず失礼ながらその器でもない白川前総裁が誕生し、厳しい経済状況の中で日本国経済・金融政策に大きな禍根を残したことは、この五年間の日銀の存在感の薄かったことからも日本経済に大きなマイナスを齎したことは一般的な見解だろう。
我がボケ頭の頼りない記憶では旧大蔵省(現財務相)と日銀では大蔵有利という力関係が常識的に存在していたように感じていた。
日銀総裁人事も大蔵省から交互に就任していたのも、大蔵有利との一つの表れではないだろうか。
1992年ころ結局宮沢政権と澄田日銀総裁がタッグを組んでバブルを創出したと言われているが、その後を継いだ細川政権が選んだ日銀OBの三重野元総裁等も金融政策失政の一人であろう。
その後は財務省から松下が継ぎ、その後を日銀副総裁の福井が就任し、このころまでの日銀OBは総裁の器らしい人物だったと思う。
ところが次をまた強引に日銀OBの速水ごとき通常の人事では考えられない順番の変更が行われ、器ではないのに総裁を引き受けた。
それも一旦総合商社の当時の日商からの転籍でその変則人事に経済界、金融界等はびっくりしたが、それが証拠に日商はその後実質破綻し、三和銀行主導でニチメンと合併して双日となり継続している。
速水の後を民主党の何でも反対の余波で誕生したのが白川総裁で、民主党がすんなり政府人事に賛成しておればなり得なかった人事である。
総理大臣にしても器は大事な要素だと思うし、民主党の菅、鳩山、野田の三人が日本国にとって相応しい総理大臣とは決して思えない。
ところで黒田新総裁が日銀総裁の器であるかどうかは就任後の政策遂行力を見てみないと判断できないが、願わくば中小企業再生に人肌ぬいて真剣に取り組んでくれることを、中小企業の仲間の為にこころから願いたい。
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